スチューベンについて

ニューヨークから来た甘い冬ぶどう

ニューヨーク生まれのぶどう

ニューヨークから来ました

スチューベンは、アメリカ合衆国ニューヨーク州のニューヨーク農業試験場で1947年に生まれた新品種です。
「ウェイン」種と「シュリダン」種の交配により生まれたスチューベンは、当時主力品種であった「キャンベル」種の糖度14度に比べ、18度以上と甘みが強い特徴がありました。
5年後には農林省果樹試験場に導入され、日本にも紹介されました。
スチューベンは、その甘さと、普通冷蔵で2ヶ月貯蔵が出来る日持ちの良さもあり、次第に「キャンベル」や「ナイアガラ」に変わるぶどうとして浸透して行きました(スチューベン栽培の歴史についてはこちらの「栽培の歴史」ページもご覧下さい。)。

スチューベンの魅力は甘さ(糖度20度前後)と、貯蔵性の高さです。10月初旬から中旬が収穫の最盛期ですが、低温での貯蔵によりクリスマスやお正月はもちろん2月いっぱいまで食べる事ができます。

キャンベル
主に北海道、岩手県、青森県、秋田県などで栽培される糖度14/15度程の品種。食べやすく親しまれるが、脱粒しやすく、日持ち、輸送性は弱い。
ナイアガラ
糖度20度を越える白ぶどう品種。果皮と果肉との分離が容易で食べやすい。日本の全収穫量の95%が長野県。
巨峰
品種名「石原センテニアル」の商標名。糖度18度〜20度で大粒。「ぶどうの王様」と呼ばれる。

スチューベンの特性

スチューベンどう

スチューベン

果肉は円形、肉質は塊状、食味良好。
樹勢は中位で、耐病性はやや強い。花振いは少なく、裂果はない。耐凍性は弱い。
貯蔵力があり、普通冷蔵で2ヶ月貯蔵が可能。
収穫期は10月初旬から中旬。来歴は歴史ページをご参照下さい。
成分については「成分と栄養」ページをご覧ください。

おいしいスチューベンの見分け方

スチューベンどう

スチューベンのブルーム

色が濃く粒に張りがあり、白っぽい粉「ブルーム」がついている物で、軸がしっかりしたものを選びましょう。
スチューベンの房(ふさ)の先の粒が一番熟しやすいので、その粒に張りがあるものは鮮度がいい証拠です。

ブルーム
水分の蒸発を防ぐもので、ブルームがついているものほどジューシーなスチューベンです。

おいしいスチューベンの食べ方

スチューベンぶどう

スチューベンの粒

最近はホルモン処理が行われている種なしぶどうが多く出回っていますが、鶴田町のスチューベンは津軽の寒冷な土地で自然のまま栽培されている種ありぶどうです。
スチューベンの果実はもちろんのこと、実は「皮と果実の間」が一番甘いといわれています。
種のまわりは少し酸味があるため、地元の人は、中の実をそのまま噛まずに飲み込み、皮に残った果汁も吸います。これが地元の人がお勧めするスチューベンを一番美味しく食べる方法です。
当サイトではスチューベンレシピもご紹介しています。

スチューベンの保存方法

スチューベンどう

スチューベン

なるべく果実を乾燥させないように、新聞紙やラップ、袋などに入れ冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
また、少しでも長く保存したい場合は、ハサミで1粒ずつ2~3mm残し枝から切り落として保存用の袋などに入れて冷蔵庫の野菜室に入れて下さい。

水が着くと傷みが早くなるため、食べる直前に洗うようにして下さい。

スチューベンの種

スチューベンどう

スチューベンの種

ぶどうの種はワイン作りの時に取り除かれたり、食べる時も捨てられる方もいらっしゃいますが、実はとても栄養豊富です。
近年ではぶどうの種からとれる油「グレープシードオイル」や「エキスからとれるサプリメントなどが注目されています。
成分は「成分と栄養」ページにてご紹介していますのでそちらをご覧ください。

スチューベンどう

スチューベンの種

*老化から体を守る効果

紫外線やストレスなどにより体内で作られた活性酸素が体の細胞や組織を酸化させます。そのため、体内の機能低下につながり老化の原因になります。
ぶどうの種に含まれるプロアントシアニジンやビタミンEは強い抗酸化力で酸化を防ぐことができるので、体を老化から守る効果が期待されています。

*美白効果

ぶどうの種子に含まれるプロアントシアニジンには、肌のシミやそばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑える働きがあるため、美白効果、色素沈着の予防効果が期待されています。

*生活習慣病の予防・改善、美肌効果

ぶどうの種子に含まれるプロアントシアニジンには、毛細血管を強くし、血液の流れを改善する働きがあるといわれており、生活習慣病の予防・改善に効果があると注目されています。
ぶどうの種子油(グレープシードオイル)に含まれるリノール酸やオレイン酸には、悪玉コレステロールを減らす働きがあるといわれています。

リノール酸はコレステロールを下げ、血栓、動脈硬化を予防するいわれています。また飽和脂肪を燃焼させ、体重を減らすのを助けます。
その他、肌の保湿力を高め、角質を健やかに保つ効果があります。またオレイン酸は血管内の過剰なコレステロールを回収する善玉コレステロールを増やす働きがあることが確認されています。またオレイン酸は肌への栄養成分の浸透力を高める働きがあり、グレープシードオイルはアレルギー反応を起こす原因物質であるアレルゲンを含まないため、肌に負担がかからないため、化粧品等にも利用されています。

スチューベンの皮

スチューベンどう

スチューベンの皮と果肉

ぶどうの皮には、眼精疲労や活性酸素の除去に効果があるとされている「アントシアン」が多く含まれています。(成分は「成分と栄養」ページにてご紹介) また、皮に含まれるレスベラトロールというポリフェノールの一種で、アンチエイジングの効果が期待できる成分が注目されています。

ぶどうは栄養価の高さからヨーロッパでは「畑のミルク」と呼ばれているそうです。特に皮と果実の間にポリフェノールが多く含まれています。これにより、悪玉コレステロールの発生を防いでくれ、体内の血液をサラサラにする働きがあるといわれており、動脈硬化やがん予防にも期待されています。
また抗酸化作用がはたらき、肌つやなどの老化防止効果も注目されています。

スチューベン生産量日本一の鶴田町って?

津軽富士見湖からの夕陽

鶴の舞橋から望む岩木山

古くは縄文時代前期の土器が出土していることから、近隣のつがる市(遮光器土偶で有名)などとおなじく縄文文化が栄えていたと思われます。
岩木山の麓から続く津軽平野、岩木川周辺部では、津軽藩3代藩主信義の時代、開拓が非常に活発に行われ村が起こりました。
明治21年10月には市町村制が行われ、それまで集落を単位とした23の村が併合されて、それぞれ鶴田村、水元村、梅沢村、六郷村の4ヵ所となり、その後昭和16年10月には鶴田村が町となりました。

鶴田町は、青森県の津軽地方の中心部に位置する人口14000人程の町で、今ではスチューベン(ぶどう)の、作付け面積・生産量ともに日本一を誇っています。ニューヨークで生まれたスチューベンは、同緯度にある青森県津軽地方の気候風土によく合い、生産量が次第に増え、スチューベンジュースやワインなど加工品も増え、道の駅やインターネット等で購入することができます。

鶴田町には鶴の舞橋や五能線などの観光スポットもあります。弘前や五所川原といった都市に隣接していますので、収穫期には是非鶴田町へお越しいただきスチューベンを味わってみて下さい。
鶴田町の観光情報は、鶴田町観光協会ホームページや、鶴田観光ウェブマガジン「メデタイ・ツルタ」をご参照下さい。